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側弯症手術の成功率向上

先日側弯症の合併症に関する発表のためにシカゴに行ってきました。スケジュールがとてもタイトで、肉体的にはきつかったのですが、長く休んで他のスタッフや自分の患者さんの迷惑をかけては本末転倒ですので、個人的には自分の発表のない学会にはいかない。というルールを原則としてもっています。今回も発表当日に会場に着くという予定を組んで、我ながら無理しているなと少し反省しました。ところで、学会では自分の発表や他の人の発表を聞くのも大事なのですが、それらの多くはいづれ近い将来論文としてどこかの雑誌に掲載されるものです。ですから、これらの関してはよっぽど自分で質問したい事項でもなければ、参加しなくてもよいわけです。ところが、学会のバックステージである、夜の会合や、いろ色なメーカとの交渉、最新の機器の発表や開発中の機器の視察等のためには、やはり参加することが必須となります。また、そこで自分がこの業界にいることをやはり周囲の人たちに認知されなければ、その業界で生きていくことはできません。その際に自分の発表があると、”ああ、あの発表をしていた君だね。”ということで認識されやすくなります。そのようなことを繰り返すうちに、徐々にその社会の一員として認知されていくわけです。
私は本来人付き合いはあまり得意でなく、パーティーやはじめての人との会合、、ましてや外国人ということになると気後れしてしまうのが本音です。ですが、そこは勇気を振り絞って参加し、国際社会の一員になることが、ひいては日本の患者さんのためになると信じて、頑張っているつもりです。
ところで、今回の学会で興味深い製品が1つあります。これは特に日本人に向いているのではないかということで、その会社の方ともずいぶん話をしました。
側弯症などの大きな範囲で脊椎を固定する際にいつも問題になるのは、骨が一部癒合しないということです。特に高齢者では、骨癒合が得られる確率は下がります。これを改善するために欧米では牛の成分から抽出したBone Morphogenetic Protein(BMP)という強力に骨癒合を誘導する物質を術中に骨に加えます。また、死体から摘出した骨を大量に貯蔵して、それを必要な分だけ使うという方法を併用しています。しかし日本では、狂牛病の問題や安全性への懸念などで、BMPを使えるめどはまだ立っておらす、また死体や他人から手術の際などに不要な際に採取した骨を使用するというのも、法律上、日本人の遺体に対する観点から、めどが立っていません。(日本では体の一部を搬送するには毎回許可が必要で、手術の際に貯蔵しておいたところから運ぶことや、採取することそのものも難し状況です。)
ですからこれに代わる方法を考えないとならないわけですが、今回発見したのが、術中に患者さん自身の腰の骨(骨盤)から骨髄を採取して遠心分離にかけて、幹細胞という骨に分化する細胞を採取し、また、それを誘導する成分を抽出して、これを術中に使用するというものです、かなり有望な結果が期待できるようです。
他人のものでも合成物でもないので安全ですが1つ問題があり、どうやって利益を上げるかということです。BMPも他人の骨もこの器械もとても高額ですが、アメリカでは患者さん自身が負担します。日本の制度ですとそれはできないですから、仮に病院が負担するとなると倒産してしまいます。そうなりと、この方法自体を特殊な技術として、厚生省に認可してもらって、使用するたびに手技料として、保険で賄うということになります。これには莫大な時間がかかるでしょう。
いつも最後は厚生省がいつ認可してくれるかということになるのです。
新しいインプラントも、あたらしい技術も、認可されなければ使用できないのです。
日本人が一般的に保守的な民族であるということを充分理解しつつも、あたらしい機器や技術をどのタイミングで認可するか、安全性をどの程度担保するかという点に関して、もう一度議論する必要があると思います。
以下が会社のサイトです。
http://www.spinesmithusa.com/

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